#364 コミュニケーションにおける錨
本日Book Logにアップした小林祐児さんのご著書には、私にとって馴染み深い言語学の理論が登場していました。特に、以前私自身が「共通基盤(common ground)」に関する論文で引用したことのある Clark のアンカリングの概念が出てきて、懐かしさを感じると同時に、コミュニケーションにおいて自分自身が大切にし、関心を寄せてきた領域なのだと改めて感じました。 ...
本日Book Logにアップした小林祐児さんのご著書には、私にとって馴染み深い言語学の理論が登場していました。特に、以前私自身が「共通基盤(common ground)」に関する論文で引用したことのある Clark のアンカリングの概念が出てきて、懐かしさを感じると同時に、コミュニケーションにおいて自分自身が大切にし、関心を寄せてきた領域なのだと改めて感じました。 ...
昨日、百貨店に勤める友人と話していたときに、ふと気になって「従業員同士でトイレに行くことを何と言うのか」を尋ねてみました。 返ってきた答えは「突き当たり」。「突き当たり行ってきます!」と使うそうなのですが、聞いたことがなかったので非常に面白く感じました。そういえば以前、大学の授業で学生たちに尋ねた際も、「10番行ってきます」や「R行ってきます」といった様々な表現が上がっていたのを思い出します。 ...
朝日新聞の「夕刊 ことば係」の記事で、「勝ちきる」という言葉が取り上げられていました。 この記事は、サッカーの試合で負けた側のチームの熱狂的なサポーターが「内容は勝っていた」と言ったエピソードから始まります。今でこそスポーツでよく使われるようになった「勝ちきる」という言葉ですが、もともとは将棋や囲碁の世界で使われていた言葉で、「優勢な状態からリードを保って勝つ」という意味なのだそうです。 ...
小林祐児氏の『職場の対話はなぜすれ違うのか』を読んでいる中で、実際には何も言っていないのに、コミュニケーションがすでに始まっているということについて触れられている箇所がありました。そこでは、社会学者のアーヴィング・ゴフマンによる「儀礼的無関心」という概念が取り上げられて説明されています。 ...
昨日に引き続き、Johnstone(2016)の文献を参考にしながら「エンレジスタメント(enregisterment)」の定義についてまとめていきます。 ...
前回の記事で扱った「コンビニ敬語」と「エンレジスタメント」という概念が「いのほた言語学チャンネル」でともに論じられたのを受けて、エンレジスタメントについての論文を探していたところ、Johnstone(2016)を見つけました。 ...
以前とりあげた「ファミコン敬語」について、色々と調べてみました。 本多(2006)では、「こちら領収書になります」のような「になります」という表現に注目しています。これは、本来であれば主語の状態変化を表す動詞「なる」が用いられているにもかかわらず、実際には主語が変化していないため、不自然に感じられると指摘されています。こうした表現は、ある種の丁寧さを表すものとしてファミレスやコンビニなどで若い店員がよく用いることから、「ファミコン敬語」と呼ばれています。 ...
たまった新聞を一気に読んでいたのですが、7月27日(月)の夕刊で、馳浩元石川県知事への「散歩取材」の様子を取り上げた記事が目に留まりました。 特に面白いと感じたのは、取材の内容そのものよりも「散歩取材」というスタイルです。記事の中では、「連れだって歩く記者に質問を投げかけられた馳氏から、思わずにじみ出た『反応』にご注目ください」と紹介されていました。 ...
Leech(1983)によると、「ポリアンナ仮説(Pollyanna Hypothesis)」とは、人々が人生の暗い側面よりも明るい側面を見ようとする心理的な傾向を指します。元々は心理学の用語ですが、Leechはこの定義から新たなポライトネスの原則として「ポリアンナの原則(Pollyanna Principle)」を導き出し、「会話の参加者はより楽しいトピックを好むものだ」と説明しています。 ...