デジタルコミュニケーション研究会から刊行されている『デジタルメディアの言語研究』の第1章、デジタルメディアの言語研究の位置づけについて興味深く拝読しました。
本書では、デジタルコミュニケーションが、流行語や若者言葉、スラングといった新奇で非規範的な言語現象をはじめ、新たなコミュニケーション様式が次々と立ち現れる魅力的な場であると述べられています。
第1章の記述に目を向けると、ネットスラングには語や句レベルの表現が多い一方で、節(文)や会話レベルで特定の意味や機能を持つものもあるとされています。そうした現象について意味論的・語用論的特徴を分析するためにも、部門横断的なアプローチを行うことが望ましいと説明されています。
社会言語学の観点では、個別言語は均一なものではなく、地域差や社会属性、使用場面ごとに「変種」が存在することが知られています。デジタルメディア上の言語には、そうした独自のさまざまな変種が混在しているという特徴があります。また、近年ではオンライン上のコンテンツの普及と多様化によって、プラットフォームやアプリケーションごとに異なる言語表現が用いられることもあるため、単一の言語変種とは言い難いという指摘もなされています。そ
のうえで、研究を進める際には、どのようなサイトやサービスで、またどのような属性の集団に使用されているのかを調査し、明確にすることが求められている点についても触れられています。
参考
デジタルコミュニケーション研究会(編). (2026). デジタルメディアの言語研究. ひつじ書房.keywords [デジタルコミュニケーション] [メディアの違い] [メディア]
Keywords
[デジタルコミュニケーション]